平成18年度 地域活性化研究 一覧(高等教育機関五十音順)
※研究報告書をご覧になりたい場合は,事務局へご連絡ください。
  1. 呉市周辺における「漂着ごみ」に関する研究
    • 海上保安大学校 鶴田 順(海上保安大学校海上警察学講座講師)外3名
    • 漂着ごみは多種多様なごみにより構成されているが,昨今の漂着ごみには医療系廃棄物等の感染性のある廃棄物も含まれており,漂着ごみ問題は地域住民や海岸利用者の健康被害にも直結する深刻な問題となってきている。本研究は,まず,呉市周辺の海岸における漂着ごみの実態調査を行い,問題状況の把握を行ったうえで,国や地方自治体はこの問題にどのように対応してきたかについて,関係の文献の渉猟や関係者へのインタビューを通し,今後の国と地方自治体のあるべき方向や課題を明らかにしたい。
  2. 呉市を訪問する観光客の観光・宿泊・飲食行動に関する調査研究
    • 近畿大学工学部 松田 博幸(近畿大学工学部助教授)外4名
    • 本研究の目的は,呉市に大和ミュージアムを中心に観光に来る客の観光・宿泊・飲食の昼夜の行動を明らかにし,回遊性やパターン化の検討を行い,呉市の観光振興・地域活性化のための基礎資料を得るものである。平成15・16年の屋台に関するテーマの研究とは「観光」をキーワードとした一連の研究であり,大和ミュージアムのオープンを契機に,呉市の各施設を利用する観光客の行動パターン分析を行おうとするものである。
  3. 呉市の自主防災組織活性化対策について
    • 呉工業高等専門学校 門前 勝明(呉工業高等専門学校建築学科助教授)外3名
    • 阪神・淡路大震災以後,住民の活動は,被災直後はもちろんのこと,復旧・復興にいたる種々の場面で重要な役割を果たすようになって来ている。呉市は地形などの関係もあり,道幅が狭い急傾斜地にも老朽化した民家が密集し,地震などの災害に対応し難い地域がいたる所に存在する。海岸地域では台風による被害も頻繁に発生している。この研究は,呉市の自主防災組織を育成・活性化するための方策を検討するものである。
  4. 牡蠣殻を用いたポーラスコンクリートブロックに関する基礎的研究
    • 呉工業高等専門学校 堀口 至(呉工業高等専門学校環境都市工学科助手)外5名
    • 本研究では,透水性を有するポーラスコンクリート(PoC)ブロックへの粗骨材としての牡蠣殻の利用を検討する。PoCは普通コンクリートと異なり大きな空隙を有するため,比較的高い強度を必要とされない。普通骨材を用いたPoCと比べて如何に強度低下を抑制できるかが,牡蠣殻利用への鍵となる。強度低下対策としては,PoCの多層構造化を行う。牡蠣殻PoCブロックは,産業廃棄物として放置される牡蠣殻を構造材料として再利用するものであり,呉市における廃棄物の減量化,自然環境の保全につながる。
  5. 呉市豊町の観光振興についての調査研究−「新しい観光」によるまちづくり−
    • 呉大学 大藤 文夫(呉大学社会情報学部助教授)外4名
    • 今日,各地で都市住民を対象にした交流事業が盛んに行われている。交流事業において資源とされるものは様々であるが,重要伝統建造物群もその一つである。本研究では,呉市豊町で行われている「重要伝統的建造物群とともにある暮らし」をシンボルとした取り組みを採り上げ,同様の取り組みを行っている他地域との比較検討を行う。それによって,豊町で行われている新しい観光振興によるまちづくりの可能性を明らかにする。
  6. 子どもの通学空間における歩行安全上視覚情報の提示及びその有効性に関する研究
    • 広島国際大学 梅 林(広島国際大学社会環境科学部住環境デザイン学科専任講師)外6名
    • 地域の環境作りを考える際,大人としての視点がベースになることが多く,子どもに対しては実際に事故・事件が起きてから初めて気づかれる問題として議論されがちである。本研究では子どもの安全のための視覚情報の提示を視点に置き,子どもによる環境認知の把握や危険回避のためのガイドシステムの作成を目的とし,その結果として安全で安心なまちづくりの手助けになる提案にしていきたいと考えている。
  7. 呉市中央地区商店街における利用者の来訪行動と空間利用ニーズ
    • 広島国際大学 橋本 清勇(広島国際大学社会環境科学部建築創造学科助教授)外4名
    • 呉市中心部では,呉駅南部の大型商業施設や海事博物館に多くの人が集まる一方で,呉鎮守府建設から発展してきた中通や本通にある商店街(中央地区商店街)では来訪者が減少し,空き店舗も目立ちつつある。本研究は,中央地区商店街が抱える課題のうち,利用者及び利用可能性のある周辺住民の来訪行動と空間利用ニーズを把握し,今後の商店街活性化のための方策について考察する。

  8. 世代間交流が幼児・高齢者に及ぼす影響に関する実証的研究
    • 広島大学 七木田 敦(広島大学大学院教育学研究科教授)外4名
    • 呉市では2005年に保育所と介護福祉施設の機能をもつ「下蒲刈複合福祉施設」がオープンし,注目を集めている。そこで本研究では,「下蒲刈複合福祉施設」での実践をもとに幼児の発話や高齢者の主観的健康度に注目し,世代間交流が幼児にも高齢者にも有効性を持つものであることを検証する。さらに,広島県内における世代間交流の具体的プログラムやモデルケースとして提言を行う。
平成18年度地域活性化研究